まちの保健室-松山くみ

保健師・看護師・産後ケア講師 [名古屋・豊田・東郷町]

日本のお母さんたちの睡眠が危ない

「なぜ日本のお母さんの睡眠が危ないのか?」

不眠症(寝つき・睡眠の質・日中の眠気)について国際的な基準に照らし合わせて調査を行った結果、約7割の方が睡眠に対しては不満を感じているという記事を目にしました。
日本人の睡眠、女性の睡眠などについて調べてみると、日本人は睡眠時間が他の国と比べても一番短く不眠大国と言われていることがわかっています。
特に、女性であり、30−40代の女性が一番睡眠時間の確保できず睡眠時間が短いということが明らかになっています。
厚生労働省の調査によると、1日の睡眠時間が6時間未満という人の割合は2007年は28.4%でしたが、2015年には39.5%に増加、睡眠を短時間で済ませている人が多いです。
そして睡眠の質が良くない、そのため深い睡眠ノンレム睡眠がうまく取れず健康な生活を送る被害が出ています。

30−40代の女性の睡眠が短い原因として、女性の社会進出が大きく関わっています。今後女性活躍の時代へと変化している現在、働き盛り・子育て世代の女性の睡眠確保が今後もっと難しくなるのではないでしょうか?

睡眠の重要性

睡眠時間が短く、深く眠れていないと、体に多くの影響があると研究されています。
・ ホルモンの分泌に影響
・ 肌荒れなどの原因
・ コルチゾールというホルモンを分泌し、ストレスが増える
・ 食欲をコントロールするホルモンの分泌低下し食欲増加→肥満
・ 免疫低下→風などの病気にかかりやすい
・ 思考力の低下
などがあり、短く質の悪い睡眠が続くと、交感神経優位が続き、自律神経コントロールも影響すると言われています。
そして、血糖値や血圧の上昇、将来的には認知症や糖尿病、心筋梗塞などの疾病にも繋がるということがわかっています。

以上の睡眠の重要性から考えると、子育てをしながら仕事などしている女性にとって睡眠時間も削り家事や育児をこなし、昼間は仕事に奮闘しそのような生活から質のいい睡眠は得られにくいのが日常です。そのため、ここから女性の健康維持が難しくなるのではないでしょうか。
まだまだ、女性が育児・家事を負担すべきという考えもある以上、眠れる身体作り、そして睡眠の必要性を伝えていく必要があるのではないでしょうか。
また、産後女性にはホルモン状態も不安定であり、なれない環境や役割から常に交感神経が働いている状況でもあります。産後の養生の必要性はこのことからも考えられるのではないでしょうか。

良い睡眠をとるために

まずは睡眠の重要性を知ることです。
いつか寝れるように自然となるだろう、またお布団に入ればねれるものと安易に思っている方が多いのではないでしょうか。
睡眠は、食事と同様健康に生活していく上では大事な柱です。
家族の健康にも睡眠は影響していくことです。食事の重要性を教育の場で伝えるようになり「早寝早起き朝ごはん」が定番したように、睡眠の重要性もしっかり知るべきではないでしょうか。

そして、睡眠に重要な環境・身体・心を整えていくことが必要です。
その中でもまず、生活のリズムを一定にすることが効果的です。人には体内に、身体の働きをコントロールする体内時計というものがありますが、現代人の生活は、不規則になりがちです。子持ちの女性だと、夜間の授乳もありますし、また子供がねた間に自分の時間をとるという方もいます。このような生活で交感神経優位が続いていることも多く、緊張とリラックスのリズムが上手く変化できない状態になっていることがあるのです。

次に、毎朝起きたときにしっかりと日光を浴びると、その働きを正常にすることができます。そうすると、夜にメラトニンという睡眠を誘う物質がきちんと働くようになり、眠くなる規則正しい循環が起こってきます。おひさまが照っている、というようなことは関係ありませんので、毎日朝起きたらカーテンを開けて、すぐに日の光に身体が当たるようにするとよいでしょう。逆に夜シフトで働く必要のある人は、朝寝るときに、カーテンをしっかり閉めて日光が入らないように夜の状態をつくって寝ることが必要になります。

最後に、夜寝る3時間前以降には食事をしないことも有効です。夜はリラックスの働きをもつ副交感神経を活性化させるほうが眠りやすいので、寝る前に胃腸の働きを活発にしないほうがよいのです。また、寝る前にストレッチをしたり、リラックスモードに入れるようにヨガや深呼吸を繰り返す、なども副交感神経を優位にすることができます。

ストレス社会と言われる現代、心の病気で悩める人が多い今、「睡眠」というのが大きなキーポイントになってくるのではないでしょうか。

About The Author

松山くみ
保健師・看護師・産後ケア講師。
自身の経験から「産後ケア」の必要性を強く感じ、
看護師や産後専門保健師の経験を生かし、メディカルな視点から産前・産後にまつわるケアを、周りのママたちに提供している。
現在も保健師として、名古屋市の「赤ちゃん訪問」を担当している。